- 共通テーマ:
- 多重債務について テーマに参加中!
Q.詐害的債務消滅行為の否認の要件とは?
A.詐害的債務消滅行為をしたこと,並びに,詐害行為否認の第1類型及び第2類型の要件を満たすことが必要となる。
詐害的債務消滅行為の否認の要件
【破産法 第160条】
2 破産者がした債務の消滅に関する行為であって,債権者の受けた給付の価額が当該行為によって消滅した債務の額より過大であるものは,前項各号に掲げる要件のいずれかに該当するときは,破産手続開始後,その消滅した債務の額に相当する部分以外の部分に限り,破産財団のために否認することができる。
詐害的債務消滅行為の否認の要件としては,債権者の受けた給付の価額が当該行為によって消滅した債務の額より過大である債務消滅行為(詐害的債務消滅行為)がなければなりません。
加えて,前項各号に掲げる要件,すなわち,詐害行為否認の第1類型及び第2類型の要件が必要となります。
詐害的債務消滅行為とは
詐害的債務消滅行為とは,「破産者がした債務の消滅に関する行為であって,債権者の受けた給付の価額が当該行為によって消滅した債務の額より過大であるもの」のことをいいます。
例えば,AさんはBさんから100万円借りていました。そして,BさんはAさんに対し,150万円を返済しました。その結果,100万円の借金は消滅しました。
この事例の場合,「消滅した債務」はBさんからの借金であり,その「額」は100万円です。それに対し,「債権者の受けた給付」とはAさんがBさんに支払った返済金であり,その「価額」は150万円です。「当該行為」とは,借金を返済するという行為です。
そうすると,Bさんの受けた返済150万円と,返済行為によって消滅した100万円の借金を比較すると,返済が借金より過大です。
つまり,債権者の受けた給付の価額が,借金返済という行為によって消滅した債務よりも過大であるということです。
したがって,このAさんの行為は,詐害的債務消滅行為であるということになります。
詐害行為否認の要件を満たすこと
これは,詐害的債務消滅行為のうち,破産法第160条第1項第1号と第2号の要件に該当する場合に限り,債務消滅行為が否認の対象となるという意味です。
第1項の場合(つまり,詐害行為否認の第1類型と第2類型の場合)には,「詐害行為」から債務消滅行為は除かれていました。それは,通常借金の返済などをしても,偏頗行為否認の対象となるのが原則だからです。
しかし,その中でも特に詐害性のあるものについては,偏頗行為否認とは違う要件で否認の対象としようというのがこの条文なのです。
そして,詐害性があるかどうかの要件として,第1項に該当する場合という条件が加えられています。要するに,第1類型の要件と第2類型の要件を満たしていることが,第3類型の要件となるということです。



