自己破産と破産法の取扱説明書

借金でお悩みの方のために,弁護士が,借金問題解決の方法である債務整理の1つである自己破産とそれを規律する破産法について,分かりやすく説明していきます。

◆このページの記事一覧◆

  • 敷金の返金見込みがある場合でも同時廃止となることがあるのか?
  • 法律事務所を開設しました!
  • 自動車やバイクを持っていても同時廃止となることがあるのか?
  • 保険契約解約返戻金の返金見込みがある場合でも同時廃止となることはあるのか?
  • 預金や貯金に残高があっても同時廃止となることがあるのか?
  • 20万円以上の現金と少額管財・同時廃止の関係に関する疑問?(後編)
  • 20万円以上の現金と少額管財・同時廃止の関係に関する疑問?(前編)
  • 現金を持っていても同時廃止となることはあるのか?
  • 東京地裁の個人破産の換価基準は同時廃止の判断に影響するのか?
  • 破産すると家具も持っていかれてしまうの?

敷金の返金見込みがある場合でも同時廃止となることがあるのか?

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Q.敷金の返金見込みがある場合でも同時廃止となることがあるのか?

A.(東京地裁の場合) 敷金返金の見込みがあっても,それ以外に破産手続費用を支払えるだけの財産がなく,また免責不許可事由もない限り,同時廃止となる。


破産手続における敷金返還請求権の取扱い・・・

破産法上,敷金返還請求権は自由財産になりませんから,破産財団に組み入れられ,換価処分されるのが原則です。

もっとも,東京地裁では,東京地裁の換価基準において,敷金債権(敷金返還請求権のことです。)は,自由財産の拡張によって自由財産として扱われるとされています。


同時廃止となる場合・・・

同時廃止となるのは,破産財団をもって破産手続の費用を支弁するのに不足すると認めるときです。

したがって,敷金返還請求権と他の財産を併せても,破産手続費用を支払うのに足りない場合には,同時廃止となります。

さらに,東京地裁では,敷金返還請求権は自由財産として扱われ,破産財団に組み入れられないことになります。

そのため,敷金返還請求権の価額は考慮されず,その他の財産で破産手続費用を支払うのに不足するのであれば,同時廃止となります。


例えば・・・

例えば,破産手続開始時に返金見込額が15万円の敷金返還請求権と10万円の財産を持っていたとします(他の財産・免責不許可事由は無いものとします。)。

この場合,破産法の原則でいくと,合計で25万円の財産があることになるので,同時廃止とはなりません。

しかし,東京地裁の基準でいくと,敷金返還請求権は自由財産となり破産財団に組み入れられませんから,破産財団としては敷金返還請求権を除いた10万円しか無いということになります。

したがって,20万円の破産手続費用を支払うだけの財産が無いということになるので,同時廃止となります。

ただし,これはあくまで東京地裁の「運用」です。 場合によっては,財産が25万円あると判断されて,少額管財となるということも無いとは言えません(今まで経験したことはありませんが・・・)。



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私ごとで申し訳ありません。1つお知らせさせて頂きます。

このたび,おかげさまで,当ブログ筆者も,東京都立川市で法律事務所を開業することになりました。

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新法律事務所はこちらです。
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自動車やバイクを持っていても同時廃止となることがあるのか?

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Q.自動車やバイクを持っていても同時廃止となることがあるのか?

A.(東京地裁の場合) 自動車(バイク)の処分見込額が20万円未満であれば,それ以外に破産手続費用を支払えるだけの財産がなく,また免責不許可事由もない限り,同時廃止となる。


破産手続における自動車・バイクの取扱い・・・

破産法上,自動車やバイクは自由財産になりませんから,破産財団に組み入れられ,換価処分されるのが原則です。

もっとも,東京地裁では,東京地裁の換価基準において,処分見込額が20万円未満の自動車は,自由財産の拡張によって自由財産として扱われるとされています。

バイクについては上記のような基準はありませんが,実際には,バイクも自動車と同様,処分見込額が20万円未満の場合には,自由財産として扱われることが大半です。


同時廃止となる場合・・・

同時廃止となるのは,破産財団をもって破産手続の費用を支弁するのに不足すると認めるときです。

したがって,自動車・バイクの処分見込額と他の財産を併せても,破産手続費用を支払うのに足りない場合には,同時廃止となります。

さらに,東京地裁では,処分見込額が20万円未満の自動車・バイクは自由財産として扱われます。

つまり,処分見込額が20万円未満の自動車・バイクは破産財団に組み入れられないことになります。

そのため,自動車・バイクの処分見込額が20万円未満の場合,その他の財産で破産手続費用を支払うのに不足する場合には,同時廃止となります。


例えば・・・

例えば,破産手続開始時に処分見込額が10万円の自動車,処分見込額が10万円のバイク,そして,それ以外に10万円の財産を持っていたとします(他の財産・免責不許可事由は無いものとします。)。

この場合,破産法の原則でいくと,合計で30万円の財産があることになるので,同時廃止とはなりません。

しかし,東京地裁の基準でいくと,自動車とバイクは自由財産となり破産財団に組み入れられませんから,破産財団としては自動車とバイクを除いた10万円しか無いということになります。

したがって,20万円の破産手続費用を支払うだけの財産が無いということになるので,同時廃止となります。

ただし,これはあくまで東京地裁の「運用」です。 場合によっては,財産が30万円あると判断されて,少額管財となるということも無いとは言えません(今まで経験したことはありませんが・・・)。



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保険契約解約返戻金の返金見込みがある場合でも同時廃止となることはあるのか?

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Q.保険契約解約返戻金の返金見込みがある場合でも同時廃止となることはあるのか?

A.(東京地裁の場合) 保険契約解約返戻金の見込額合計が20万円未満であれば,それ以外に破産手続費用を支払えるだけの財産がなく,また免責不許可事由もない限り,同時廃止となる。


破産手続における保険契約解約返戻金の取扱い・・・

破産法上,保険契約解約返戻金の請求権は自由財産とならないので,破産財団に組み入れられ,換価処分されるのが原則です。

もっとも,東京地裁では,生命保険の解約返戻金見込額の合計が20万円未満である場合には,自由財産の拡張によって自由財産として扱われます。

実際には,生命保険以外の保険についても,保険契約解約返戻金見込額合計が20万円未満であれば,自由財産として取り扱われています。


同時廃止となる場合・・・

同時廃止となるのは,破産財団をもって破産手続の費用を支弁するのに不足すると認めるときです。

したがって,解約返戻金見込額の合計と他の財産を併せても,破産手続費用を支払うのに足りない場合には,同時廃止となります。

さらに,東京地裁では,返金見込額合計が20万円未満の保険契約解約返戻金は自由財産として扱われます。

つまり,返金見込額合計が20万円未満の保険契約解約返戻金は破産財団に組み入れられないことになります。

そのため,保険契約解約返戻金見込額合計が20万円未満の場合,その他の財産で破産手続費用を支払うのに不足する場合には,同時廃止となります。


例えば・・・

例えば,破産手続開始時に返金見込額合計が15万円の保険とそれ以外に10万円の財産を持っていたとします(他の財産・免責不許可事由は無いものとします。)。

この場合,破産法の原則でいくと,合計で25万円の財産があることになるので,同時廃止とはなりません。

しかし,東京地裁の基準でいくと,保険契約解約返戻金請求権は自由財産となり破産財団に組み入れられませんから,破産財団としては上記保険契約解約返戻金請求権を除いた10万円しか無いということになります。

したがって,20万円の破産手続費用を支払うだけの財産が無いということになるので,同時廃止となります。

ただし,これはあくまで東京地裁の「運用」です。 場合によっては,財産が25万円あると判断されて,少額管財となるということも無いとは言えません(今まで経験したことはありませんが・・・)。



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預金や貯金に残高があっても同時廃止となることがあるのか?

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Q.預金や貯金に残高があっても同時廃止となることがあるのか?

A.(東京地裁の場合) 預貯金の残高合計が20万円未満であれば,それ以外に破産手続費用を支払えるだけの財産がなく,また免責不許可事由もない限り,同時廃止となる。


破産手続における預貯金の取扱い・・・

破産法上,預貯金の返還を求める請求権は自由財産とはならないので,破産財団に組み入れられ,換価処分されるのが原則です。

もっとも,東京地裁では換価基準があり,残高合計が20万円未満の預貯金は,自由財産拡張によって,自由財産として扱われます。


同時廃止となる場合・・・

同時廃止となるのは,破産財団をもって破産手続の費用を支弁するのに不足すると認めるときです。

したがって,預貯金の残高と他の財産を併せても,破産手続費用を支払うのに足りない場合には,同時廃止となります。

さらに,東京地裁では,残高合計が20万円未満の預貯金は自由財産として扱われます。

つまり,残高合計が20万円未満の預貯金は破産財団に組み入れられないことになります。

そのため,預貯金の残高が20万円未満の場合には,預貯金以外の財産で破産手続費用を支払うのに不足するときには,同時廃止となります。


例えば・・・

例えば,破産手続開始時に残高合計が15万円の預貯金とそれ以外に10万円の財産を持っていたとします(他の財産・免責不許可事由は無いものとします。)。

この場合,破産法の原則でいくと,合計で25万円の財産があることになるので,同時廃止とはなりません。

しかし,東京地裁の基準でいくと,預貯金は自由財産となり破産財団に組み入れられませんから,破産財団としては預貯金を除いた10万円しか無いということになります。

したがって,20万円の破産手続費用を支払うだけの財産が無いということになるので,同時廃止となります。

ただし,これはあくまで東京地裁の「運用」です。 場合によっては,財産が25万円あると判断されて,少額管財となるということも無いとは言えません(今まで経験したことはありませんが・・・)。



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20万円以上の現金と少額管財・同時廃止の関係に関する疑問?(後編)

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Q.20万円以上の現金と少額管財・同時廃止の関係に関する疑問?

A.法が99万円以下の現金を自由財産としているにもかかわらず,現金が20万円以上ある場合には少額管財となるとするのは,引継予納金を支払う結果,現金を減少させることになり,法の趣旨に反するのではないかという疑問がある。


引継予納金の支払い・・・

東京地裁では,20万円以上の現金を持っていると少額管財となってしまいます。

99万円以下の現金を持っていた場合,この99万円以下の現金は自由財産となりますが,それが20万円以上であった場合,その現金の中から20万円を引継予納金として支払わなければならないのです。

例えば,20万円の現金を持ったまま破産した場合,この20万円は自由財産となりますが,手続としては少額管財となります。

そうすると,この20万円の現金から20万円の引継予納金を支払わざるを得なくなるので,結局,破産者の手元に現実に残る現金は0円です。

これでは,一体何のために現金を自由財産としたのか分かりません。


99万円以下の現金を自由財産とする趣旨・・・

一般的な家庭で必要となる1か月分の金銭は33万円とされていますから,99万円という数字は,3か月分の生活費というわけです。

破産すると破産者は財産の多くを失うことになります。 しかし,いくら債務が免責されたとしても,全財産を失ってしまっては,その後の生活をやっていくことができません。

そこで,法は,99万円以下の現金を自由財産とすることにより,少なくとも当面3か月分の生活費に当たる現金は持っておいてよいということにしているのです。

それにもかかわらず,20万円以上の現金がある場合には少額管財となるとすると,上記の事例のように,現金から引継予納金を支払うことになる結果,自由財産たる現金が引継予納金分だけ減ってしまいます。

ということは,つまり,法が生活費として99万円以下の現金を取っておいて良いとしているにもかかわらず,現実には,生活費として残しておける現金が減ってしまうのです。


少額管財とすることに対する疑問・・・

以上のように,20万円以上の現金を持っている場合には少額管財となるという運用には疑問があります。

仮に20万円以上の現金があるとして少額管財となったとしても,現金は自由財産ですから,債権者には配当されません。

引継予納金として支払われた現金も,20万円しかないため,その大半は破産管財人の報酬となるだけです。

ということは,破産者の財産が99万円以下の現金しかない場合,債権者に配当されることはないのです。

それにもかかわらず,自由財産として法が破産者の生活のために確保しておくことを認めている現金を減らさせてまで管財手続とする必要性があるのでしょうか?

99万円を超える現金を持っている場合にだけ少額管財とするという運用の方が,99万円以下の現金を自由財産とする法の趣旨に沿うように思うのです。



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20万円以上の現金と少額管財・同時廃止の関係に関する疑問?(前編)

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Q.20万円以上の現金と少額管財・同時廃止の関係に関する疑問?

A.後編を参照。


現金と同時廃止・少額管財・・・

東京地裁では,破産者が破産手続開始時に20万円以上の現金を有している場合には,同時廃止とはならず,管財手続となるという運用をとっています。

20万円というそれほど高額の現金ではありませんから,管財とは言っても,少額管財となるのが通常です。


少額管財となる根拠・・・

同時廃止は破産手続では例外的な扱いです。 同時廃止となるのは,「破産財団をもって破産手続の費用を支弁するのに足りないと認める」場合だけです。

東京地裁では,少額管財の引継予納金を原則20万円としていますから,東京地裁における「破産手続費用」は,上記の20万円であるということになります。

そうすると,20万円以上の現金を持っていれば破産手続費用を支弁できますから,同時廃止とはならず,少額管財となるというわけです。


自由財産との関係から生じる疑問・・・

しかし,疑問に感じるところがあります。 それは,99万円以下の現金が自由財産となるという破産法の規定との関係です。

つまり,破産法では,99万円以下の現金は自由財産となる,つまり,破産者が破産手続開始決定時に99万円以下の現金を持っていたとしても,換価処分しなくてよいということです。

ということは,仮に99万円以下の現金を持ったまま管財手続となったとしても,この99万円は換価処分の対象とはならないのです。

つまり,同時廃止となろうが管財となろうが,いずれにしろ,この99万円以下の現金は破産者が持っているままで良く,債権者に配当されることはないのです。

そうだとしたら,一体何のために管財手続にするというのでしょうか?


・・・後編に続く



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現金を持っていても同時廃止となることはあるのか?

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Q.現金を持っていても同時廃止となることがあるのか?

A.(東京地裁の場合) 現金が20万円未満であれば,破産手続費用を支払えるだけの現金以外の財産がなく,また免責不許可事由もない限り,同時廃止となる。


破産手続における現金の取扱い・・・

破産法上,99万円以下の現金自由財産とされています。 したがって,破産手続開始時に現金を持っていたとしても,99万円までは処分せずに済みます。


同時廃止との関係・・・

上記のとおり,99万円以下の現金は自由財産となるのですから,破産手続開始時に99万円以下の現金を持っていたとしても,換価すべき財産はなく,同時廃止となる・・・とも思えます。

しかし,残念ながらそうではありません。

東京地裁では,20万円以上の現金がある場合には,少額管財となるという運用になっています。


例えば・・・

例えば,現金99万円を持っていた場合(ほかの財産は無いものとします。)について考えます。

この場合,99万円の現金は自由財産となります。 しかし,手続としては少額管財となり,引継予納金として20万円を支払うことになります。

したがって,結局,持っておける現金は,79万円ということになります。

200万円の現金を持っていた場合(その他の財産は無いものとします。)はどうなるのでしょうか?

この場合,自由財産となるのは99万円だけですから,残りの101万円は破産財団に組み入れることになります。

そして,さらに引継予納金20万円を支払うことになります。 もっとも,裁判所や破産管財人の判断によっては,別途20万円を支払う必要がないという場合もあります。


東京地裁の運用・・・

破産手続開始時に持っている現金が20万円未満であれば,同時廃止となります

ただし,現金が20万円未満であっても,その他の財産と併せると換価価値が20万円以上となるという場合には,少額管財となる可能性はあります(今まで経験したことはありませんが・・・)。



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東京地裁の個人破産の換価基準は同時廃止の判断に影響するのか?

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Q.東京地裁の個人破産の換価基準は同時廃止の判断に影響するのか?

A.影響する。 具体的には,破産手続費用を支弁することができるかどうかの判断の基礎となる「破産財団」にいかなる財産が含まれるのかに影響する。


東京地裁の個人破産の換価基準(自由財産拡張基準)・・・

東京地裁では,少額管財事件にあたって,法律上自由財産とされていない財産についても自由財産として扱うという「個人破産の換価基準(自由財産拡張基準)」を定めています。

この基準によって,本来ならば換価処分しなければならない財産を処分しなくて済むようになるわけです。


同時廃止との関係・・・

もっとも,上記基準は,あくまで管財手続となった場合に,破産管財人による換価処分の対象となるか否かを定めた基準です。

したがって,この基準は,同時廃止となるのかどうかの判断とは関係ないようにも思えます。

しかし,同時廃止となるのは,「破産財団をもって破産手続の費用を支弁するのに不足すると認める」場合であるとされています。

この「破産財団」には,自由財産は含まれません。 つまり,破産財団とは,もし管財手続であったとしたら換価処分の対象となる財産ということであるといえます。

そうすると,同時廃止となるのは,もし管財手続となって,換価処分の対象となる財産を全部換価処分しても,破産手続費用すら支払うことができない場合であるということになります。

上記個人破産の換価基準に挙げられている財産は,管財手続になっても処分されないのですから,少なくとも東京地裁では,そもそも「破産財団」に含まれないと考えることができます。

したがって,少なくとも東京地裁においては,同時廃止となるのかどうかについて,個人破産の換価基準も併せて考慮に入れた上で,「破産財団をもって」破産手続費用を支払えるのかどうかを判断すべきであるということになるのです。

もっとも,これはあくまで運用ですから,絶対にこのように考えることができるというわけではありません。 ただし,実際には,上記のように運用されていることがほとんどです。


例えば・・・

例えば,破産者の財産として10万円の現金と15万円の預金残高があったとします(なお,免責不許可事由は無いものとします。)。

この場合,普通に考えると,合計で25万円の財産があるのですから,少額管財費用20万円を十分に支払えるので少額管財になりそうです。

しかし,この事例において上記基準を加味してみると,20万円以下の残高の預金は自由財産となりますから,換価処分されません。 つまり,「破産財団」には含まれなくなるわけです。

そうすると,「破産財団」に含まれるのは現金10万円だけということになりますから,20万円の少額管財費用は支払えません。

したがって,10万円の現金という「破産財団」をもって,20万円の少額管財費用という「破産手続費用」を支弁するのに不足すると認められますから,同時廃止が選択されるということになります。



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破産すると家具も持っていかれてしまうの?

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Q.破産すると家具も持っていかれてしまうの?

A.家財道具は自由財産であるので,破産しても持って行かれることはない。


家財道具の取扱い・・・

破産法上,差押禁止動産自由財産となり,破産財団に組み入れられることはありません。

したがって,差押禁止動産は,破産しても破産者が保有し続けることができます。

そして,民事執行法第131条第1号によれば,「債務者等の生活に欠くことができない衣服,農具,家具,台所用具,畳及び建具」は差押禁止動産とされています。

したがって,家具は自由財産となりますから,破産しても破産者が持っておくことができるのです。

ちなみに,どのような家具が差押禁止の対象となる生活に必要不可欠な家具といえるかについては,東京地裁民事第21部(民事執行部)から「差押禁止動産目録」という基準が示されています。

この基準に挙げられている財産は,破産手続上も自由財産として扱われています。


家財道具とは・・・

東京地裁民事第20部(破産再生部)では,上記のような家具が自由財産であることを前提としつつ,さらに,個人破産の換価基準において「家財道具」について自由財産の拡張を認めています。

家具と家財道具とで何が違うのか,という気がしないでもないのですが,20部が家財道具をあえて自由財産拡張の対象としていることからすれば,ここでいう家財道具は,家具を包含したより広い概念であると考えることができます。

つまり,自由財産拡張のなされる家財道具とは,「家具+α」ということです。

具体的には,債務者の生活に最低限必要な家具だけでなく,家庭で利用する物一般をも家財道具として保護しているものであると考えることができます。


自由財産とならない家財道具・・・

もちろん限度はあります。 どんな物でも家庭で利用している限り自由財産となるというのは不都合です。

やはり,あまりに高価なものは,換価処分の対象となる可能性があります。 アンティーク家具などで売れば何十万円もするようなものは家財道具とは言えないでしょう。

具体的な金額的で言えば,引継予納金を賄える程度の価値のあるもの,東京地裁で言えば,20万円を超える価値のある物は,家庭で利用している物であっても,換価処分の対象となると考えられます。

もっとも,今まで家財道具が換価処分されたという話は聞いたことがありませんが・・・



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