借金相談 自己破産と破産法の取扱説明書

借金でお悩みの方のために,東京 多摩 立川の弁護士が,借金問題解決の方法である債務整理の1つである自己破産とそれを規律する破産法について,分かりやすく説明していきます。

◆このページの記事一覧◆

  • 詐害的債務消滅行為の否認の要件とは?
  • 詐害的債務消滅行為の否認とは?
  • 債務整理・過払い金返還請求専門サイト開設のお知らせ
  • 引き直し計算代行サービスのご案内
  • 相当対価を得てした財産の処分行為の否認における隠匿等の処分をする意思とは?
  • 財産の種類の変更によって隠匿等の処分をするおそれを現に生じさせるものであることとは?
  • 相当対価を得てした財産の処分行為に否認における相手方の悪意とは?
  • 相当対価を得てした財産の処分行為の否認とは?

詐害的債務消滅行為の否認の要件とは?

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Q.詐害的債務消滅行為の否認の要件とは?

A.詐害的債務消滅行為をしたこと,並びに,詐害行為否認の第1類型及び第2類型の要件を満たすことが必要となる。


詐害的債務消滅行為の否認の要件

【破産法 第160条】
2 破産者がした債務の消滅に関する行為であって,債権者の受けた給付の価額が当該行為によって消滅した債務の額より過大であるものは,前項各号に掲げる要件のいずれかに該当するときは,破産手続開始後,その消滅した債務の額に相当する部分以外の部分に限り,破産財団のために否認することができる。

詐害的債務消滅行為の否認の要件としては,債権者の受けた給付の価額が当該行為によって消滅した債務の額より過大である債務消滅行為(詐害的債務消滅行為)がなければなりません。

加えて,前項各号に掲げる要件,すなわち,詐害行為否認の第1類型及び第2類型の要件が必要となります。


詐害的債務消滅行為とは

詐害的債務消滅行為とは,「破産者がした債務の消滅に関する行為であって,債権者の受けた給付の価額が当該行為によって消滅した債務の額より過大であるもの」のことをいいます。

例えば,AさんはBさんから100万円借りていました。そして,BさんはAさんに対し,150万円を返済しました。その結果,100万円の借金は消滅しました。

この事例の場合,「消滅した債務」はBさんからの借金であり,その「額」は100万円です。それに対し,「債権者の受けた給付」とはAさんがBさんに支払った返済金であり,その「価額」は150万円です。「当該行為」とは,借金を返済するという行為です。

そうすると,Bさんの受けた返済150万円と,返済行為によって消滅した100万円の借金を比較すると,返済が借金より過大です。

つまり,債権者の受けた給付の価額が,借金返済という行為によって消滅した債務よりも過大であるということです。

したがって,このAさんの行為は,詐害的債務消滅行為であるということになります。


詐害行為否認の要件を満たすこと

これは,詐害的債務消滅行為のうち,破産法第160条第1項第1号と第2号の要件に該当する場合に限り,債務消滅行為が否認の対象となるという意味です。

第1項の場合(つまり,詐害行為否認の第1類型と第2類型の場合)には,「詐害行為」から債務消滅行為は除かれていました。それは,通常借金の返済などをしても,偏頗行為否認の対象となるのが原則だからです。

しかし,その中でも特に詐害性のあるものについては,偏頗行為否認とは違う要件で否認の対象としようというのがこの条文なのです。

そして,詐害性があるかどうかの要件として,第1項に該当する場合という条件が加えられています。要するに,第1類型の要件と第2類型の要件を満たしていることが,第3類型の要件となるということです。


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詐害的債務消滅行為の否認とは?

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Q.詐害的債務消滅行為の否認とは?

A.破産者の債務消滅行為のうちで詐害行為否認の要件を満たすものについて,債権者の受けた給付の価額が当該行為によって消滅した債務の額より過大である部分を否認すること。


詐害的債務消滅行為の否認とは

【破産法 第160条】
2 破産者がした債務の消滅に関する行為であって,債権者の受けた給付の価額が当該行為によって消滅した債務の額より過大であるものは,前項各号に掲げる要件のいずれかに該当するときは,破産手続開始後,その消滅した債務の額に相当する部分以外の部分に限り,破産財団のために否認することができる。

詐害行為否認の第3類型とも言えるのものが,この「詐害的債務消滅行為の否認」です。

これは,詐害行為否認の第1類型及び第2類型では対象とされなかった「債務の消滅に関する行為」を,特別に詐害行為否認の対象とするものです。


詐害的債務消滅行為の否認の要件

詐害的債務消滅行為の否認には,以下の要件が必要となります。

  • 詐害的な債務消滅行為をしたこと
  • 第1項各号の要件に該当すること

詐害的債務消滅行為に否認の効果

詐害的債務消滅行為の否認が認められたとしても,詐害的債務消滅行為の全部を否認できるというわけではありません。

詐害的債務消滅行為の否認が可能な範囲は,詐害的債務消滅行為によって消滅した債務の額に相当する部分だけです。

例えば,破産者Aさんの150万円の詐害的債務消滅行為によって,債権者Bさんの債務が100万円消滅したとしたならば,否認できるのは,100万円部分だけであるということです。


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債務整理・過払い金返還請求専門サイト開設のお知らせ

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引き直し計算代行サービスのご案内

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引き直し計算代行サービス

自己破産も含めて債務整理共通のデメリットとして,信用情報機関の事故情報(いわゆるブラックリスト)に登録されるというものがあります。ブラックリストに登録されると,一定の期間,新規の借入れやクレジットカード等の利用ができなくなります。

他方,形式上は借金が残っていたとしても,引き直し計算の結果,過払いとなっていた場合には,ブラックリストに登録されることはありません

つまり,ブラックリストに登録されるかどうかは,引き直し計算をしてみて,借金の残高が残っているか,過払いとなっているか,を確認してみてはじめて分かるということです。

そのため,これまでも,債務整理を始める前(弁護士が受任通知を債権者に送付する前)に引き直し計算をして,ブラックリストに登録されるのかどうかをあらかじめ確認しておきたいというニーズがありました。

そこで,東京 多摩 立川の弁護士 LSC綜合法律事務所では,上記ニーズにお応えするため,貸金業者から開示された取引履歴をお持ちいただいた場合に引き直し計算を行う,引き直し計算代行サービス(1通につき1050円)を始めました。


引き直し計算代行サービスの利用条件

引き直し計算代行サービスのご利用は,以下の場合に可能となります。

  • 債務整理・過払い金返還請求のご依頼を前提とされている方
  • ご自身で貸金業者から取引履歴をお取り寄せいただける方
  • 当事務所までご来訪いただける方
  • ブラックリストに登録されると不利益を受けるという合理的理由のある方(単に借金ができなくなるからというだけの理由は含まれません。具体的な理由が必要となります。)
  • 複数の業者からの借入れがあるが,特定の業者についてのみ引き直し代行を依頼するという場合には,当該ご依頼の業者以外について債務整理を行わなくても返済に支障がないと認められる方のみ

お気軽にお問い合わせください。
→ 詳しくは引き直し計算代行サービスのご案内をご覧ください。


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相当対価を得てした財産の処分行為の否認における隠匿等の処分をする意思とは?

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Q.相当対価を得てした財産の処分行為の否認における詐害意思とは?

A.破産者が,処分行為によって得た相当な対価について,隠匿等の処分をしようとする意図を持っていることをいう。


相当対価を得てした財産の処分行為の否認の要件

【破産法 第161条】
1 破産者が,その有する財産を処分する行為をした場合において,その行為の相手方から相当の対価を取得しているときは,その行為は,次に掲げる要件のいずれにも該当する場合に限り,破産手続開始後、破産財団のために否認することができる。
二 破産者が,当該行為の当時,対価として取得した金銭その他の財産について,隠匿等の処分をする意思を有していたこと。

相当対価を得てした財産の処分行為の否認の要件として,その行為をした当時,破産者が,それによって受け取った相当の対価について隠匿等の処分をする意思を有していたことが必要とされています。

詐害行為否認では詐害意思が要件として必要とされていますが,この隠匿等の処分をする意思は,その詐害意思の特殊類型というべき要件です。


隠匿等の処分をする意思

詐害行為否認における詐害意思は,自分が危機時期にあるにもかかわらず,責任財産を減少させるような行為をしていることを認識していること意味します。

隠匿等の処分をする意思とは,責任財産を減少させる行為という抽象的なものではなくて,もっと具体的に,隠匿等の処分という具体的な行為をしようとしている意思のことをいいます。


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財産の種類の変更によって隠匿等の処分をするおそれを現に生じさせるものであることとは?

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Q.財産の種類の変更によって隠匿等の処分をするおそれを現に生じさせるものであることとは?

A.相当対価を得てした処分行為が,不動産の金銭への換価等の財産の種類を変更させる行為であり,これによって,破産者がその対価について隠匿等の処分をするおそれを現に生じさせたことをいう。


相当対価を得てした処分行為の否認の要件

【破産法  第161条】
1 破産者が,その有する財産を処分する行為をした場合において,その行為の相手方から相当の対価を取得しているときは,その行為は,次に掲げる要件のいずれにも該当する場合に限り,破産手続開始後、破産財団のために否認することができる。
一 当該行為が,不動産の金銭への換価その他の当該処分による財産の種類の変更により,破産者において隠匿,無償の供与その他の破産債権者を害する処分(以下この条並びに第168条第2項及び第3項において「隠匿等の処分」という。)をするおそれを現に生じさせるものであること。

相当対価を得てした財産の処分行為の否認においては,その相当対価を得てした財産の処分行為が,「不動産の金銭への換価その他の当該処分による財産の種類の変更により,破産者において隠匿,無償の供与その他の破産債権者を害する処分(以下「隠匿等の処分」という。)をするおそれを現に生じさせるものであること」が必要とされています。


財産の種類の変更

財産の種類の変更として,上記条文では,「不動産の金銭への換価その他の処分」によるもであるとされています。

不動産の金銭への換価とは,不動産を売却して現金を得るということです。財産の種類が「不動産」から「現金」へと変更されることになります。

「その他の処分」も,上記不動産の金銭への換価と同じように,財産の種類を変更させるような処分である必要があります。


隠匿等の処分をするおそれを現に生じさせること

単に財産の種類を変更しただけでは,否認の対象とはなりません。財産の種類を変更したことによって,隠匿等の処分をするおそれを現に生じさせる場合に,否認の対象となります。

隠匿等の処分とは,「隠匿,無償の供与その他の破産債権者を害する処分」のことをいいます。隠匿とは財産を隠すこと,無償の供与とは財産をただであげてしまうことを意味します。 これらに匹敵するような詐害性の大きい処分が,「破産債権者を害する処分」に当たることになります。

これら隠匿等の処分を現にすることは要件となっていません。これら隠匿等の処分を,現にするおそれを生じさせることだけで足りるものとされています。

つまり,処分行為によって得た相当の対価を,現に隠したり,ただであげてしまったりすることまでは必要とされておらず,こういうことをする危険性が生じれば,否認の要件を満たすことになるということです。

ただし,ここでいう「おそれ」は,抽象的な危険性では足りず,具体的な事情から考えて隠匿等の処分が行われたであろうということが推認される程度の「おそれ」でなければならないとされています。


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相当対価を得てした財産の処分行為に否認における相手方の悪意とは?

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Q.相当対価を得てした財産の処分行為に否認における相手方の悪意とは?

A.処分行為の相手方が,その行為の当時,破産者に隠匿等の処分をする意思があったということを知っていたことをいう。


相当対価を得てした処分行為の否認の要件・・・

【破産法  第161条】
1 破産者が,その有する財産を処分する行為をした場合において,その行為の相手方から相当の対価を取得しているときは,その行為は,次に掲げる要件のいずれにも該当する場合に限り,破産手続開始後、破産財団のために否認することができる。
三 相手方が,当該行為の当時,破産者が前号の隠匿等の処分をする意思を有していたことを知っていたこと。
2 前項の規定の適用については,当該行為の相手方が次に掲げる者のいずれかであるときは,その相手方は,当該行為の当時,破産者が同項第二号の隠匿等の処分をする意思を有していたことを知っていたものと推定する。
一 破産者が法人である場合のその理事,取締役,執行役,監事,監査役,清算人又はこれらに準ずる者
二 破産者が法人である場合にその破産者について次のイからハまでに掲げる者のいずれかに該当する者
 イ 破産者である株式会社の総株主の議決権の過半数を有する者
 ロ 破産者である株式会社の総株主の議決権の過半数を子株式会社又は親法人及び子株式会社が有する場合における当該親法人
 ハ 株式会社以外の法人が破産者である場合におけるイ又はロに掲げる者に準ずる者
三 破産者の親族又は同居者

相当対価を得てした財産の処分行為の否認の要件として,処分行為の相手方が,その行為の当時,破産者に隠匿等の処分をする意思があったということを知っていたことが必要となります。

法律では,ある事実を知らないことを善意,知っていることを悪意という場合があります。上記の場合は,相手方が破産者の隠匿等の処分をする意思について悪意であったことが必要となるということになります。

相手方は相当対価を支払っている以上,隠匿等の処分がされるかどうかについて何も知らないのに,いきなり否認されてしまうというのでは,あまりに酷だからです。


悪意の推定・・・

もっとも,破産者と相手方とがぐるになって,相当対価での処分行為をしたという場合も少なくはありません。

そうでないとしても,破産者と近い立場にいる人は,破産者が隠匿等の処分をしようとしていることを知っている可能性が高いといえます。

そこで,法は,破産者の内部者ともいえる破産者と一定の関係にある人については,隠匿等の処分をする意思について悪意であったものと推定するという規定を設けています。それが,上記条文の第2項の意味です。

悪意と推定されるのは,以下のような人たちです。

破産者が株式会社の場合
・ その会社の理事,取締役,執行役,監事,監査役,清算人又はこれらに準ずる者
・ その会社の総株主の議決権の過半数を有する者
・ その会社の総株主の議決権の過半数を子株式会社又は親法人及び子株式会社が有する場合における当該親法人
破産者が株式会社以外の法人の場合
・ その会社の理事,取締役,執行役,監事,監査役,清算人又はこれらに準ずる者
・ その会社の「総株主の議決権の過半数を有する者」に準ずる者
・ その会社の「総株主の議決権の過半数を子株式会社又は親法人及び子株式会社が有する場合における当該親法人」に準ずる者
破産者が個人の場合
・ 親族又は同居人

なお,上記規定はあくまで推定規定です。したがって,悪意と推定された相手方の方で,自分は悪意ではないということを証明できれば,この悪意の推定は覆されます。



相当対価を得てした財産の処分行為の否認とは?

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Q.相当の対価を得てした財産の処分行為の否認とは?

A.相当の対価を得てした財産の処分行為が,不動産の金銭への換価その他の当該処分による財産の種類の変更により,破産者において隠匿,無償の供与その他の破産債権者を害する処分をするおそれを現に生じさせるものである場合や,対価として取得した金銭その他の財産について,隠匿等の処分をする意思を有していた場合に,その処分行為を否認することをいう。

相当の対価を得てした財産の処分行為の否認とは・・・

【破産法  第161条】
1 破産者が,その有する財産を処分する行為をした場合において,その行為の相手方から相当の対価を取得しているときは,その行為は,次に掲げる要件のいずれにも該当する場合に限り,破産手続開始後、破産財団のために否認することができる。
一 当該行為が,不動産の金銭への換価その他の当該処分による財産の種類の変更により,破産者において隠匿,無償の供与その他の破産債権者を害する処分(以下この条並びに第168条第2項及び第3項において「隠匿等の処分」という。)をするおそれを現に生じさせるものであること。
二 破産者が,当該行為の当時,対価として取得した金銭その他の財産について,隠匿等の処分をする意思を有していたこと。
三 相手方が,当該行為の当時,破産者が前号の隠匿等の処分をする意思を有していたことを知っていたこと。
2 前項の規定の適用については,当該行為の相手方が次に掲げる者のいずれかであるときは,その相手方は,当該行為の当時,破産者が同項第二号の隠匿等の処分をする意思を有していたことを知っていたものと推定する。
一 破産者が法人である場合のその理事、取締役、執行役、監事、監査役、清算人又はこれらに準ずる者
二 破産者が法人である場合にその破産者について次のイからハまでに掲げる者のいずれかに該当する者
 イ 破産者である株式会社の総株主の議決権の過半数を有する者
 ロ 破産者である株式会社の総株主の議決権の過半数を子株式会社又は親法人及び子株式会社が有する場合における当該親法人
 ハ 株式会社以外の法人が破産者である場合におけるイ又はロに掲げる者に準ずる者
三 破産者の親族又は同居者

相当の対価を得てした財産の処分行為の否認」は,詐害行為否認の特殊類型とでもいうべきものです。

通常,相当の対価をもらって財産を処分した場合,全体としてみると,財産は減少していません。

例えば,Aさんが100万円の物を100万円で売った場合,確かに物を売った時点で全財産のうち100万円はマイナスとなりますが,すぐに代金100万円を現金でもらえばプラス100万円となりますので,全財産からみればプラスマイナス0円ということになります。

代金を現金で受け取らなかったとしても,代金債権100万円が資産に追加されますから,やはり全財産からみればプラスマイナス0円です。

そうすると,相当対価をもらっているならば,総財産に変化がない以上,破産しても債権者への配当額は同じになるはずですから,別に債権者を害するような行為とはいえないはずです。

しかし,例えば,現金と不動産とでは,債権者からみると重要性が全然違います。 現金は,すぐに費消してしまえるし,隠すのも簡単です。

それに比べて,不動産は費消してしまうことも隠すことも非常に困難です。 つまり,不動産は,債権者からみれば「安心」な財産なのです。

したがって,安心な財産である不動産を,安心できない財産である現金に換えてしまうこと自体,財産隠しの危険性をはらんだ行為であるといえます。

こういう行為を野放しにしておくと,不正手段によって財産隠し等が行われ,債権者が不利益を被るおそれがあります。

そこで,このような危険性のある行為については,相当の対価を得ていたとしても,一定の場合には否認権行使の対象として財産を保全しておく必要性があります。 それが,この「相当の対価を得てした財産の処分行為の否認」というわけです。

相当対価を得てした処分行為の否認の要件・・・

もっとも,相当の対価を得てため詐害性が小さいことから,普通の詐害行為否認よりも要件が厳しくなっています。

すなわち,単に債権者を害するだけではなく,隠匿等のおそれがあるといえるような詐害性の大きい行為でなければなりませんし,単なる詐害意思ではなく,隠匿等の意思まで持っていなければいけません。

こういうように,要件を厳しくすることによって,その厳しい要件をクリアした場合のみ,本来許されるはずの相当対価処分を否認できるとして,バランスをとっているのです。

相当対価を得てした処分行為の否認の要件は,以下のとおりです。
・ 相当の対価を得て処分行為をしたこと
・ 上記処分行為が,財産の種類の変更により隠匿等の処分をするおそれを現に生じさせるものであること
・ 破産者に隠匿等の処分をする意思があること
・ 受益者が,上記処分行為の当時,破産者の隠匿等の処分をする意思を知っていたこと


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